会社を守るための
メンタルヘルスケア

 

ストレス時代のメンタルヘルスケア対策は企業にとって喫緊の課題となっている。
以前であれば、死亡した社員の家族に慶弔見舞金を出せば、「ありがとうございます」と言われていた時代から、「弁護士に相談してみます」と言われる時代である。過労死認定も年々増加しているほか、労災の認定を求める訴訟は、労災の判断基準が争点となり、労基署側は自殺の原因は本人の「ぜいじゃく性にあった」と主張するのに対し、裁判所は平均的労働者と比べて「性格等に過剰な要因があったと認めることはできない」と指摘するケースがある。
さらには、労災認定とは別に民事訴訟に発展するケースが多く、もはや、あの「電通事件」は大手企業の問題だと片付けるわけにはいかない。

 

 

(1)労災認定は増加の一途、労災認定自殺者も激増

  平成18年度の脳血管疾患及び虚血性心疾患等(「過労死」等事案)の労災認定請求件数は938件、支給件数は355件と過去最高となっています。認定要件は変更されていませんが、平成11年度は請求件数466件(支給件数90件)をボトムに増加の一途を辿っています。年齢別でみますと、請求件数ベースでは、50代が約4割も占めています。
また、精神障害等の労災認定請求件数も増加しています。平成18年度には、過労や仕事のストレスが原因で自殺(未遂も含む)したとして、労災認定された人は66人にも達し、前年から57%増と激増しいます。年代別では働き盛りの30代が40%を占めています。


 

「過労死」は、働き過ぎが原因で、心筋梗塞や脳梗塞など心臓や脳の疾患を発症し死亡するものです。認定基準としては、「発症前1カ月に100時間または2~6カ月間に月80時間を超える時間外労働があれば関連性が強い」とされています。
「過労自殺」は、過労や職場でのストレスからうつ病などの精神疾患となり、自殺に至るものです。原則として発症前6カ月の間に、長時間労働や仕事の量・質の大きな変化、重大なミスや出向やセクハラなどの業務上の強いストレスがあったことが認定の要件となります。

 

<表ー1>脳血管疾患及び虚血性心疾患等(「過労死」等事案)の労災補償状況

(出所)厚生労働省
(注)決定件数は当該年度に請求されたものに限るものではない。 支給決定件数は、決定件数のうち業務上として認定した件数である。

<表ー2>精神障害等労災補償状況

 

(2)民事訴訟は増加、賠償金も高額!

労災補償制度による補償のみで遺族が満足するわけではりません。というのも、この保障には、精神的損害(慰謝料)や逸失利益などは含まれないからです。結果として、遺族が会社に過失があったと考える場合、行政訴訟(労災認定)とは別に、民事訴訟を提起するケースが急増しています。
電通事件では過労自殺した事件が最高裁まで争われ、1億6857万円で和解したのは有名です。 また、派遣社員の場合でも2005年4月から雇用先・派遣先の両者に責任となりました。

民事訴訟からいったん裁判になれば会社が無傷に終わる可能性は低いと言えます。というのも、社員が過労死・過労自殺した場合に、会社には何一つ落ち度はなかったと裁判所が認める可能性は低いからです。

安全配慮義務違反による損害賠償額が高額になり、たとえ業務上災害と認定されても労災保険からの補償額ではまかないきれないケース、労災保険では給付の対象とならない慰謝料を別途請求されるケース、などが増えています。会社の賠償額は少ない場合で数千万円、多ければ数億円にものぼり、会社存亡に係わる巨額になります。さらには、大切な従業員の喪失、従業員のモラルの低下、社会的信用なども失ってしまいます。


電通事件とは、入社1年5カ月の社員が長時間労働(慢性的に5日に1、2回深夜まで、自殺直前1カ月では3日に1回の徹夜残業等)を強いられたためにうつ病に陥り、その結果自殺に追い込まれたとして、遺族が企業に対して損害賠償を請求した事件です。東京地裁は96年3月29日、社員の長時間労働による過労と自殺の間に相当因果関係と会社の安全配慮義務違反を認め、過失相殺なしの総額1億2600万円の損害賠償を会社に命じたましが、会社側が控訴。東京高裁は3割の過失相殺を行ったものの、相当因果関係を認め、総額8900万円の損害賠償を認容したものです。 最終的には、最高裁まで争われ、電通側は一審判決が命じた賠償額(1億2600万円)に遅延損害金を加算した合計1億6800万円を遺族に支払いました。

主な過労死行政訴訟 被災者側勝訴判例はこちら

被雇用者の自殺が増加。

 

(3)長期休業者はメンタル疾患が過半、精神疾患患者増加の一途

  「企業における長期休業者に関する実態調査」(株式会社アドバンテッジ リスクマネジメント)では、メンタル疾患が過半を占めるとしている。暦年でみていくと、メンタル疾患のウエィトは2000年の36%から2007年には63%まで高まっている。
また、メンタル疾患を性別・年代別でみてみると、女性は20代の発症が多く、男性は30代の発症が多いことが分かります。
 
 
 
 

また、厚生労働省による調査では、労働者の60%以上が職業上強いストレスを感じていることが示されており、心の病で1ヶ月以上休む労働者の比率は0.5%、47万人(2003年9月全国の主な製造業2001カ所の調査から)となっています。
同じく、厚生労働省の「平成17年患者調査」では、受療中の精神疾患患者数は300万人を超えています。入院患者は増加していませんが、通院患者は年々増加しています。中でも、気分〔感情〕障害(躁鬱病含む)の通院患者数は平成11年:41.6万人→平成14年:68.5万人→平成17年:89.8万人(福島県精神保健福祉センター調べ)と増加の主因となっています。
いずれにしても、企業はメンタルヘルス疾患の潜在的なリスクが内包していることになります。


 
 

 

(4)企業のメンタルヘルス対策は必須!

安全配慮義務とは、その範囲が当初「労働に直接起因する健康障害を起こさないように配慮する」でしたが、最近では「労働に密接な関連を有する健康障害を起こさないよう配慮する」と拡大する傾向にあります。
社員の安全を確保するために、物理的環境面の整備はもちろん重要ですが、社員の精神面も配慮する必要性が高まってきました。うつ病や自殺の増える昨今、メンタルヘルス不全の予防は、社員の健康配慮上の最重要課題です。
政策面でも労働安全衛生法が改正され、2008年4月から常時50人未満の労働者を使用する事業場でも、長時間労働者への医師による面接指導の実施されています。

 

 

(5)高まるニーズ、導入進むEAP

 
メンタルヘルス対策も多岐にわたります。
○早期発見 
うつに関する社員教育,管理職への教育、スクリーニングテスト、予防的面談(産業医・カウンセラー)
○カウンセリング
○外部医療機関との良好な連携
○休職中のケア
○復職時のプログラム
○復職後のサポート

 
         
 
そこで、注目されているのが、EAP(Employee Assistance Program=従業員支援プログラム)です。EAP協会(米国)のEAPサービスの定義としては、“会社の生産性に関係する事柄で、従業員に対する仕事上に影響を及ぼす個人的問題の発見、解決を援助する。”とされている。1970年代のアメリカではアルコールや薬物などへの依存が大きな社会問題となっていた。その問題は働き盛りのビジネスマンをも巻き込み、業務成績の低下や退職にまで発展するというような深刻な状況を招いていたのである。 この解決策として、アメリカの先進的な企業を中心に導入されたのがEAPである。すでに、アメリカでは、EAPは既にフォーチューン500大企業の約95%に導入されています。
 
     
  わが国でもEPAの導入は進んできた。財団法人 労務行政研究所が発表した「企業におけるメンタルヘルスの実態と対策」(調査期間:2008年1月30日~3月4日)では、何らの施策を実施している企業が79.2%と前回2005年の調査より9.3ポイントアップしている。調査対象が4,168社で回答が250社と6%であるため、正確な導入率は分からないが、導入は進んでいると判断できる。
規模別でみると、大企業98.9%とほぼ100%に近いが、300人未満の企業では、57%に留まるが、それでも前回2005年と比べると20ポイント以上アップしている。
具体的な施策上位は、電話やEメールによる相談窓口、心の健康対策を目的とするカウンセリング(相談制度)が5割を超え、管理職に対するメンタルヘルス教育は43.6%となっている。
 
     
  メンタルヘルス対策実施状況  詳しくはこちら→  
 

 

(6)ティーペックEAP

 

EAPを提供する企業の中からティーペックを紹介します。「ティペックEAP」は予防の領域から改善の領域まで、従業員と家族の生活全般に関する悩みを解決します。

 

 

ティペックのサービスの一部は、加入した保険の一部に付与されていますが、弊社ではティーペックEAPのサービスはご提供しておりますので、見積もり等のご相談についてお問い合わせください。

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

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